借金の整理・破産
任意整理
弁護士が各々の借入先(債権者)との過去の取引履歴を調査し、利限法による引直し計算をした上で交渉し、各々分割払いの合意書を締結する方法によるもの。
【ご相談の際に持参して頂くもの】
- (1)借入先(債権者(一覧表)
- 住所・電話番号・現在残高・当初借入日・借入期間・保証人の有無など。
- (2)認印
- 委任状に押印していだだくため。
- (3)借入先(債権者)との契約書や催促状などの書類
- 上記はあるものだけで可能。
- (4)キャッシュカード
- すべて借入先に返却します。
- (5)勤務先と収入明細
- 源泉徴収表ないし給与明細。
1.相談
例1>会社からリストラされたり、病気になって借金の支払いに行き詰った。
例2>クレジット会社などから督促状が来た。
例3>借入先が3社以上に増えて、毎月の返済のためには給料だけでは足りなくなった、など。
※ここで例示したような状態になった方は、勇気を出して早めに弁護士に相談してください。遅くなればなるほど借入先との交渉が難しくなったり、給料などの差押えを受けるなどの困難な問題が生じてしまいます。またこのような状態になると、その日の取立てを免れたい一心で、他の業者から借り入れをしてますます借り入れを増やしてしまうなどの悪循環になってしまいがちです。
2.受任
弁護士が事情をお伺いした上で、「任意整理」による解決が妥当と判断した場合には、直ちに弁護士の受任通知(「介入通知」と呼ばれるもの)を、全ての借入先(債権者)に発送し「債権調査」を開始します。
3.交渉
過去の取引履歴の調査と、利息制限法超過利息の引直し計算をして、残元本を確定し、その結果を踏まえて各々の借入先(債権者)と分割弁済の交渉をする。この際分割弁済をする期間の利息は免除させる他、過払金が発生している場合には、その返還を求める。
4.合意書の締結と返済の実行
この毎月の返済は、依頼者の責任で実行してください。
5.遂行
各種紛争解決手続きを遂行する (弁護士と協力しながら進めていく)。
6.強制執行
(相手方が任意の履行に応じないときは)和解調書や判決に従って強制執行の申立をする
(借地借家などの紛争では当初から明渡しの強制執行まで視野に入れて検討しておく必要がある。)
以上から分かるとおり、任意整理を弁護士に依頼するメリットは
1.弁護士による介入通知が届けば、債権者は直接取立てをすることができなくなること。
2. 依頼後の交渉は、全て弁護士が代理をして行うことができること。
3.将来利息は免除され、約束した分割払いは全て元本に充当されるので、約束した回数を支払えば支払いが完了すること。
4.これまでに長期間(5年以上)にわたって支払いを続けている場合には、利限法引直し計算によって、債務残高が減らせる可能性があること。
自己破産免責・申立
債務者が債務(借入金など)の「支払不能」状態に陥った場合に、裁判所に対して破産の申立てをして、その開始決定を受けるとともに、債務の免責を求める申立てをして、その許可を受ける方法。
【ご相談の際に持参して頂くもの】
- (1)借入先(債権者(一覧表)
- 住所・電話番号・現在残高・当初借入日・借入期間・保証人の有無など。
- (2)認印
- 委任状に押印していだだくため。
- (3)借入先(債権者)との契約書や催促状などの書類
- 上記はあるものだけで可能。
- (4)キャッシュカード
- すべて借入先に返却します。
- (5)勤務先と収入明細
- 源泉徴収表ないし給与明細。
1.相談
借入先(債権者)・債務残高・借入期間・保証人の有無・収入・資産状況・家族状況などの確認。
例1>会社からリストラされたり、病気になって借金の支払いに行き詰った。
例2>クレジット会社などから督促状が来た。
例3>借入先が3社以上に増えて、毎月の返済のためには給料だけでは足りなくなった、など。
※ここで例示したような状態になった方は、勇気を出して早めに弁護士に相談してください。遅くなればなるほど借入先との交渉が難しくなったり、給料などの差押えを受けるなどの困難な問題が生じてしまいます。またこのような状態になると、その日の取立てを免れたい一心で、他の業者から借り入れをしてますます借り入れを増やしてしまうなどの悪循環になってしまいがちです。
2.受任
諸般の事情から、「自己破産」による解決が相応しいと判断され、予想されるデメリットなども考慮した上、依頼者からの要請の下に、各債権者に対して受任通知と債権調査票を発送する。
3.調査と申立手の準備
債権者からの債権調査票の返送を待って、依頼者との協力体制の下に「申立書」の作成や必要書類の取り寄せなどを行う。
※この間にローン中の自動車の任意返却などの手続きを終える。
4.管轄地方裁判所へ自己破産の申立て
原則として「同時廃止手続」の申立てをする。
(つまり、通常の場合には、生活費や返済に迫られるなどして消費者金融業者から次々と借り入れをした例が多く、ほどんど自己所有の財産などは持っていないため、「確定管財人」を選任して財産を換価処分したり、配当したりする正規の破産手続きは必要がない)
その後、裁判所の申立書の補正の要請などがあれば適切に対応し、債務者審尋や免責審尋に備える。
※所有不動産がある場合などには、(簡易)管財人の選任が必要とされる場合もある。(「簡易管財事件」という)
5.破産開始(同時廃止)決定
6.免責決定
破産開始決定後約1ヶ月間の各債権者からの「異議申立期間」の経過を待って、決定される。
※但し、税金などの他、扶養義務・婚姻費用分担義務に基づく給付義務などは非免責債権なので免責されません。
以上から分かるとおり、自己破産申立を弁護士に依頼するメリットは
1.弁護士が介入通知を出すことによって、債権者からの直接の取立てを停止させることができる。
2. 裁判所の監視の下になされる手続きなので、その手順をきちんと踏めば、裁判所によって残債務の免除(債務を帳消しにすること)が得られる。(但し、税金などの非免責債権は除く)
3.戸籍や住民票に破産の事実が記載されたり、選挙権がなくなるなどということは一切ありません。また、破産申立をした方の家族の方に、その人自身が保証人などになっていない限り、不利益が及ぶことはありません。
逆にデメリットとしては
1.一定の期間は、銀行やクレジット会社などから借入れることができず、ローンは通らなくなります(信用情報機関のいわゆる「ブラックリスト」に載ります)。
2.破産開始決定のとき、免責決定のときに、「官報(政府発刊物)」に住所と名前が載ります。
3.不動産や自動車などを所有していたり、長年生命保険を掛けてきていたり、長年勤続して退職金がもらえるような場合には、一定の制約が出てきます。
※具体的には弁護士にご相談ください。
個人民事再生手続
給与所得者や小規模個人が「支払不能のおそれ」がある場合に、裁判所に対して経済的再建を図るための申立をして、その認可を受ける方法。
【ご相談の際に持参して頂くもの】
- (1)借入先(債権者(一覧表)
- 住所・電話番号・現在残高・当初借入日・借入期間・保証人の有無など。
- (2)認印
- 委任状に押印していだだくため。
- (3)借入先(債権者)との契約書や催促状などの書類
- 上記はあるものだけで可能。
- (4)キャッシュカード
- すべて借入先に返却します。
- (5)勤務先と収入明細
- 源泉徴収表ないし給与明細。
1.相談(申立の妥当性のチェック)
●「支払不能」状態に陥る恐れがあれば足りる。
●但し、無担保債務(これは、住宅ローンの担保が自宅などに設定されていても、この住宅ローン残高の金額などは除くという趣旨)は5,000万円以下であること。
●将来において継続的に給与やその他の収入が見込めること。
●最低弁済額(基準債権の5分の1(但し、上限300万円まで)、または100万円、の多い方)を3年間で分割払い。
※なお無担保債務額が3,000万〜5,000万円のときは、無担保債務額等の10分の1以上支払うことになる。
※但し、給与所得者については、可処分所得の2年分が上記の最低弁済額より多い場合は、可処分所得の2年分が最低弁済額となるので、公務員など給与金額が多い人は注意が必要。
●自宅を保有し続けることを希望する場合には住宅ローン特約の利用を検討する。
2.受任
諸般の事情から見て「個人再生手続」による解決がふさわしいと判断された場合には、その旨の受付通知を発送する。
3.調査と申立て準備
依頼者との協力体制の下に「申立書」の作成や必要書類の取り寄せをする。
※住宅ローンがある場合には、事前に住宅ローン貸付銀行との協議を進めておく必要がある。
4.申立て
5.手続き開始決定
債権届出期間や異議申述期間を経る。
6.「再生計画案」の提出
7.書面による決議に付する決定、または意見聴取決定とその回答期間・聴取期間の満了
8.認可決定
9.再生計画案で約束した返済の実行
以上から、個人再生手続き申立てを弁護士に依頼するメリットは
1.自宅に住宅ローンのための担保権が確保されている場合に、その実行を停止させながら、債務整理手続きを進めることができる点にあります。
2. その他に資格の制限はなく、最低弁済額の支払いを終えれば再生債権の方の残余分(5分の4など)は免責されます。
しかしデメリットとしては
1.破産の場合と同様に官報に掲載されます。
2.住宅ローン貸付け銀行に待ってもらう期間の利息は全て加算されて請求されます。
3.上記最低弁済額の支払いと、このように加重された住宅ローンの返済を継続する必要があることになるので、よほどの覚悟が必要です。